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■ 侵略戦乱の中で咲いた民間外交
2004/04/22 10:09 [00923-000] 夢泉蘭イラクから帰国した3人にたいする非難の声が政府、マスコミ、愚民に多いのは驚くべきだ。
とくに読売、産経の社説、週刊文春、新潮のヨタ記事、自民、公明幹部の発言が世論をリードしている。2chのニュース欄にいたっては低俗としか言いようがない。
ここでは冷泉彰彦氏の発言を紹介する。
救出された高遠さんの「イラクに戻りたい。イラク人を嫌いになれない」という発言
は、他にどのような言い方があるでしょうか。感情的な空想論とは対極にある、した
たかな計算とでも言いましょうか、とにかくこの発言で、アラブ世界の「高遠さんへ
の同情、親日感情」は増しこそすれ、減ることはないでしょう。
この発言によって、行方不明の2名の危険も減りこそすれ増すことはないでしょうし、
間接的ではありますが、サマーワの自衛隊に対するテロの危険も減少すると思います。
それどころか、自衛隊の人々は働きやすくなるのではないでしょうか。悪いことは何
もないと思います。ですが、日本のTV視聴者は日本人が日本語でTVで話している
と、それは日本の「世間様」を相手に話していると錯覚するのです。その錯覚から、
高遠さんは不遜だ、というような勘違いも甚だしい意見が出てくるようです。
まあ、そこまでは昨今の世相からは仕方がないのかもしれませんが、そうした誤解に
基づく悪感情を一国の総理が人気取りに悪用するに至っては、こちらは相当にタチが
悪いと言わざるを得ないでしょう。少なくとも生命の危険を冒してきた人が、救われ
て尚、その国の人が見ているTVで見事に親日感情を拡大する効果のあるセリフを言
い放った、それを非難し逆に政治利用をする、これでは為政者として最低の品格にも
欠けます。